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国外関連取引は5種類に分類して概要を記載する | 押方移転価格会計事務所
- 2018.07.30
- 移転価格文書化
※この記事を読む前に「事実分析は簡潔に書く。但し常にゴールを意識すること」をご確認下さい。
国外関連取引は大きく5種類に分類されます。
事実分析の記載が終わったら次は、「国外関連取引の概要」を記載します。 国外関連取引といえば貿易取引が思い浮かぶと思いますが、それ以外にも種類があります。
①棚卸資産取引
②役務提供取引
③無形資産取引
④金銭貸借取引
⑤その他
この5つです。
①の棚卸資産取引は、おわかりだと思います。移転価格税制の検討のメインとなる貿易取引です。
②の役務提供取引は、グループ内役務提供(IGS Intra Group Service)とも呼ばれ、子会社への技術指導などの労働力の提供を指します。子会社からの対価が不十分な場合は寄付金または移転価格上の問題ありとされる可能性があります。
③の無形資産取引とは、製造ノウハウや特許技術などの使用料の収受のことです。親会社が重要な無形資産を保有し、それを子会社が使用している場合、適正対価を収受していないと課税されるリスクがあります。
④の金銭貸借取引は、グループ内での金銭貸し付けであり、いわゆる親子ローンのことです。 無利息で貸付を行っていると金利相当分を寄付した、あるいは利率が低すぎる場合は移転価格の問題ありとされることがあります。利率については「子会社貸付金(親子ローン)から金利は何%取ればいい?」をご参照下さい。
⑤は、グループ間で固定資産の売買を行った場合などが該当します。簿価を大幅に下回る価格で子会社に売却した場合は、移転価格税制上の問題ありとされる可能性があります。
取引種類ごとに概要を簡潔に記載する
上記の分類に従って国外関連取引の概要を簡潔に記載します。
記載する項目が厳密に決まっている訳ではありませんが、
・主要な取り扱い製品
・商流図
・取引総額
・親子間の契約・覚書
・取引価格の決定方針
など、国外関連取引の概要を理解するために必要な情報をわかりやすく記載しましょう。そして内容が次の「機能・リスク分析」と矛盾なくつながっているかどうかを確認して下さい。
中堅企業の場合、①の棚卸資産取引の課税リスクを抑えるために文書化を行うのが通常です。
ですがその前に役務提供取引や金銭消費貸借取引の寄付金対策が十分かどうかを確認して下さい。これらは移転価格の問題とせずに寄付金として簡単に処理される可能性があります。
次の記事に続く→「機能リスク分析の書き方しだいで移転価格文書は決まる」
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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