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移転価格税制という法律を遵守することはコンプライアンスの一環 | 押方移転価格会計事務所
- 2016.06.01
- 移転価格全般
移転価格調査で追徴課税が行われた場合、新聞等で「所得隠し」と報道されます。
意図的に所得を隠したとは限らないので表現が強すぎると思いますが、その方が話題性が高くなるのでしょう。地方企業にも移転価格調査が及んできますので、今後は地方紙でも同じような報道がされる可能性があります。
またある地方銀行の方が、「移転価格は税務コンプライアンスの問題になるんですよね・・」と言っていました。移転価格税制や海外寄付金への対応が未整備になっていることを銀行もプラスには評価しないようです。
海外進出企業ともなってくると、コンプライアンス(法令順守)が求められるようになります。会計不祥事、耐震偽装、燃費不正など、毎年のようにコンプライアンス違反で痛手を受ける企業が出ていますが、国際税務についてもルールをきっちり守るという姿勢を示すことが重要です。当局も税務コンプライアンスの向上を呼びかけており、優良企業に対しては税務調査の間隔を長くするといった優遇をするケースも出ています。
移転価格税制を含む国際税務について、中堅中小企業では対応が遅れている面があります。調査官も国際税務について正しく理解しておらず、お互いよくわからないまま寄付金として処理されてしまうこともあります。
きっちり理論武装をした上で主張すべきことは主張し、改善すべきことは改善するという真摯な姿勢が重要
移転価格文書化資料が整備されており、法人税申告書の別表十七(四)もしっかり記載されていれば、移転価格調査官は書面審査の段階で「この企業は移転価格にしっかり対応している」という心証を持ちます。
反対に海外子会社があるにもかかわらず、文書化資料はおろか、別表十七(四)の添付さえない状態であれば、移転価格税制に全く対応していないことがわかってしまいます。調査官にも心証はありますし、費用対効果を考える面もあります。税務コンプライアンスへの意識が低くて、多額の追徴税を取れそうな企業を優先的に調査するものです。
国際税務に関するルールは厳しくなってきています。今後は海外子会社と一定額以上の取引を行っている企業は確定申告と同時に移転価格文書を提出する義務が課されます。法人に対してだけでなく、国外転出時課税など個人に対する国際課税のルール強化も行われています。
海外でビジネスをしていく以上、国際税務に対するコーポレートガバナンス強化は避けて通れなくなってきていると思います。
関連記事:小型化する移転価格調査
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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