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事実分析は簡潔に書く。但し常にゴールを意識すること | 押方移転価格会計事務所
- 2018.08.07
- 移転価格文書化
※この記事を読む前に「ローカルファイルの記載項目」をご確認下さい。
ローカルファイルでは、冒頭部分で企業グループの概要等を「事実分析」という項目で記載することが多いです。ですが「事実分析」と言われても、何をどこまで書けばいいのかわからないのではないでしょうか。
そのような時は、文書化のそもそもの目的を思い出しましょう。
ローカルファイルは税務当局に対してグループ間取引を独立企業間価格で行っていることを説明するための資料です。証券アナリストが「この会社の株価は上がる」または「下がる」と判断するためのものではありません。
そう考えると事実分析は、(御社のことを初めて知る)調査官が御社グループの概要を短時間で把握するためにあるとわかります。
ですのでこの項目には、
・国外関連者の一覧(会社名、所在地、事業内容等)
・出資関係図
・属する市場や産業の動向
・事業の方針
・研究開発活動の概要
などを簡潔に記載すれば十分です。 調査官がさっと理解できるような記述を心がけましょう。
ゴールを意識しながら書く
これはローカルファイル全体にいえることですが、結論から逆算する発想は重要です。
事実分析の後には、国外関連取引の内容→機能リスク・無形資産分析→最適な独立企業間価格算定方法の選定→経済分析→結論と続きます。
事実分析の段階で「結論はこうなりそうだ」という想定を持っておいた方が的を射た記載になります。
例えば「海外子会社サイドに取引単位営業利益法を適用することになりそうだ」という想定があるのであれば、事実分析も「子会社は重要な無形資産を保有しておらず、果たしている機能と負っているリスクは限定的である」という方向性で記載することになります。
検討の結果TNMMは不適切ということになるかもしれませんが、何の方向性もなくやみくもに書くよりははるかに書きやすいはずです。
常にゴールを意識して文書全体に一貫性を持たせることが説得力につながります。文書化は逆算思考で行いましょう。
次の記事に続く→「国外関連取引は5種類に分類して概要を記載する」
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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