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中小企業こそ文書化のやりがいがある | 押方移転価格会計事務所
- 2016.11.14
- 移転価格文書化
国税庁の発表によると平成27年の移転価格調査による平均追徴税額は約6千万円でした。数年前まで平均3~4億円だったことを考えると、急速に小型化が進んでいることがわかります。
10年ほど前、大企業に対する数十億~数百億円の移転価格課税が新聞報道を賑わせましたが、その後大企業は、移転価格税制への対策を固めました。事前確認(APA)という、海外子会社との取引価格について税務当局と事前合意する手続きを進めたのです。
一方、この十数年で海外進出企業の数は大幅に増加しました。国税庁レポートによると、日本の海外進出企業は平成16年の時点で約15000社だったのが、平成25年には約24000社まで増加しています。現時点では25000社を超えているでしょう。そしてこの十数年で海外に進出した企業のほとんどは、大企業ではなく中小企業だと思われます。
海外進出企業の増加を受け、課税庁が国際課税の規制強化、調査強化を行うのは当然の流れといえます。10月に発表された「国際戦略トータルプラン」においても、調査マンパワーの充実等、海外取引に対する調査強化の方針を掲げています。
中小企業の移転価格対策は「文書化」しかない
海外進出企業がこれだけ増えていますので、海外子会社と不適切な取引を行うことによって、税収が国外に逃げる可能性は高くなっています。海外取引に対する調査強化の方針は今後も変わらないでしょう。
このことは、中小企業も移転価格税制や海外子会社への寄付金認定にしっかり対応していかなければならないことを意味しています。移転価格税制への対策としては上述の事前確認(APA)もありますが、1~2年の審査期間と数千万円というコストを考えると中小企業向けではありません。
やはり海外子会社との取引価格決定ポリシーを構築し、移転価格分析を毎年行う「文書化アプローチ」による対応以外にはあり得ません。文書化もコンサルタントに丸投げすると毎年多額の費用が発生しますので、自社で可能な限りノウハウを蓄積し、要所要所で専門家を活用するという距離感がベストだと思います。
平均6千万円という追徴税額は、課税所得でいうと1億数千万円です。過去6年間さかのぼって追徴できることを考えると、1億数千万円という金額は決して大きくはありません。海外子会社との貿易額が年間数億円あれば容易に到達しうる金額です。
営業や生産機能だけが独立して海外に進出している訳ではありません。税務、財務、労務、会計などの管理機能も、しっかりグローバルに対応していきましょう。
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