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ローカルファイルはページ数が多い方がいいのか | 押方移転価格会計事務所
- 2018.10.24
- 移転価格文書化
ローカルファイルは有価証券報告書のように記載内容が厳格に決まっている訳ではありませんので、内容やページ数には結構バラつきがあります。中には随分、「分厚い」文書を作っているケースもあります。
コンサルティング会社にとってはローカルファイルが成果物ですので、コンサルティングフィーに見合った「重厚感のある文書」を作成したいという事情は理解できます。(大企業向けのプレゼン資料が分厚いのと同じです。)
ですがローカルファイルを自社で作成・更新できるようになることを目指すのであれば、事情は異なります。
移転価格対応の専任でない人が他の仕事と並行しながらローカルファイルの作成・更新をすることになりますので、可能な限り労力を削減したいというのが本音でしょう。
労力をかけて立派な文書を作っても株価が上がる訳でもなければ、銀行融資が通る訳でもないからです。また税務調査官に見せるための資料が立派な見た目である必要もありません。
ローカルファイル本体には、コアとなる部分だけを記載すればいい
50ページ以上ある分厚いローカルファイルには次のような項目が記載されていることがあります。
- 会社や工場の写真
- 取り扱い製品の写真
- 日本の移転価格税制関連規定の原文
- OECD移転価格ガイドラインの日本語訳
- 比較対象企業の財務データを表に打ち込んだもの
これらの情報が不要とは言いませんが、製品についてはカタログを見せればいいですし、税務調査官に日本の規定やOECDガイドラインの説明をする必要はありません。
比較対象企業の財務データを何ページにも渡ってきれいな表に手打ちしなくても、エクセルデータを渡して口頭で補足すればいいのです。
ローカルファイルのコアとなる部分は、なぜその独立企業間価格算定方法を最適と判断したのか、その算定方法に従って計算した結果、移転価格上の問題はあるのかないのかという部分です。
つまり、親子間取引の概要、親と子が果たしている機能と負っているリスク、重要な無形資産の帰属、独立企業間価格算定方法の選定、比較対象取引の選定、実際の取引の検証(経済分析)といった部分です。
このコアとなる部分に絞って簡潔に記載すればそれほどのページ数にはなりませんし、みる側にとってもわかりやすい資料になります。
既に作成済みの資料や「別紙参照」でまかなえる部分は極力そのようにし、「移転価格上の問題があるのかどうか」という問いに簡潔に答える文書を作成しましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
「移転価格対応に失敗したくない人が最初に読む本」
個別相談付き移転価格入門セミナー
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