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意味を理解した上でローカルファイルを作成しよう | 押方移転価格会計事務所
- 2019.01.23
- 移転価格全般
ローカルファイルを外部コンサルタントに依頼した企業は、ローカルファイルの記載項目の意味をよくわかっていないと感じることがあります。
- なぜ利益水準指標に総費用営業利益率を使っているのか
- メーカーなのになぜ比較対象企業に商社を選定したのか
- 内部比較があるのに、なぜ原価基準法を採用しなかったのか
できあがったローカルファイルについての説明を受けただけでは、このような問いに答えることは難しいでしょう。
それは完成したローカルファイルの説明だけを受けているからです。いろいろと検討した結果そのような結論になっているのですが、その作成プロセスに関与していないからわからないのです。
将来の変化に対応できない
ローカルファイルの記載項目ひとつひとつの意味がわかっていなければ、翌年度以降、ビジネスに変化が生じたときに対応ができません。
「フェンスが設置された理由がわかるまでフェンスを撤去してはいけない」という言葉がありますが、これはローカルファイルも同じです。
なぜ原価基準法が不採用になったのかという理由がわかっていれば、ビジネスの環境が変化した結果、取引単位営業利益法よりも原価基準法の方が適切であると判断して独立企業間価格算定方法を変更することもできます。
これらの問題はローカルファイルの自力更新を最初から目指さなければ解決できません。
今後も永久に外部コンサルタントにする訳にはいかないと思いますので、早い段階からローカルファイルの自力更新を含む「移転価格対応の内製化」を目指して下さい。
「移転価格分析報告書」という書類はない
コンサルタントが企業向けに作成する書類は、「移転価格分析報告書」という名称になっていることが多いです。
これはコンサルタントから企業への報告書であり、ローカルファイルではありません。
移転価格税制で求められている書類は企業から税務当局への報告資料であるローカルファイルです。
「移転価格分析報告書」は企業への報告資料なので、OECDガイドラインの日本語訳や独立企業間価格算定方法の説明などが含まれている場合があります。
ですが税務当局向けの資料であるローカルファイルには当然ながらそのような情報は必要ありません。
税務当局に対して、「こんなの作ってもらったんですけど・・」という感じで、ローカルファイルではなく「移転価格分析報告書」を提出しているということです。
税務当局は「この会社は移転価格税制のことをあまりわかっていないな」という印象を持つことでしょう。
このように外部コンサルタント任せには多くの問題があります。
ローカルファイルがそもそもどのような書類であるのか、記載されている項目ひとつひとつの意味は何であるのかをしっかり理解した上で、ローカルファイルを自力で更新できる会社を目指して欲しいと思います。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
「移転価格対応に失敗したくない人が最初に読む本」
個別相談付き移転価格入門セミナー
【記事数300以上】移転価格お役立ち情報一覧
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