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持株比率10%以上のアメリカ企業からの配当は益金不算入 | 押方移転価格会計事務所

アメリカ 配当 租税条約

外国子会社配当益金不算入制度により、発行済株式の25%以上を6ヶ月以上継続している外国法人からの配当の95%は益金不算入となります。

配当は法人税を納付した後の剰余金を原資としますので、配当を受け取った側で課税されてしまうと二重課税になってしまうからです。

ですがこれがアメリカ企業からの配当である場合、持株比率が10%以上(保有期間が6ヶ月以上)あれば、同制度の適用を受けることができます。

これは日米租税条約にそのように定められており、国内法に優先して適用されるからです。

租税条約の目的

租税条約の目的の1つは、国際的な経済活動をスムーズにするために自国の課税権を制限することです。

租税条約の代表的な適用事例に短期滞在者免税(通称183日ルール)があります。

外国で労働したのであれば、たとえそれが1日だけであっても、本来はその国で所得税を納めなければなりません。

ですがそれではあまりに煩雑ですので、租税条約を締結し、短期間の労働についてはお互いに所得税を課税しないことにしているのです。

国内法⇒租税条約の順に検討する

租税条約により、利子や配当からの源泉徴収税率が下がるなどのメリットがあるかもしれませんので、海外子会社所在国との租税条約を確認することは重要です。

確認する際には、まず国内法を確認し、それが租税条約によって変更を受けるかどうかという順番で行いましょう。

例えばタイ子会社から日本本社への配当については、タイの国内法における源泉徴収税率は10%ですが、日本とタイの租税条約では「15%を超えないものとする」と定められています。

この場合は10%を源泉すればいいということですので、租税条約だけをみていると間違う可能性があります。

必ず国内法⇒租税条約という順番を守るようにしましょう。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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