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海外子会社の管理面が後回しにされ過ぎている | 押方移転価格会計事務所
- 2021.08.17
- 移転価格全般
海外子会社を設立したのであればビジネスを軌道にのせることが第一優先であることは理解できます。
製造子会社であれば生産体制の確立、販売子会社であれば販売活動にもっとも力を注ぐべきです。そうしなければ会社自体が維持できないからです。
ですが設立から何年も経っているのに、いつまでも製造や販売のことばかりを考えていて、管理面が後回しになっている企業が多いと思います。
法律で強制される確定申告や会計監査、物理的に資金がない場合の資金繰り対策はしていますが、それ以外の管理面がずさんなままになっています。
グループ間取引に関する管理がずさん
親子間取引に契約書はない、親子間取引の価格の決め方は昔からの習慣をそのまま踏襲、経費の負担関係について何のルールもないという状態です。
製造子会社のことを自社の工場だと考えているから無料でどんどん出張支援を行ってしまい、後の税務調査で子会社支援だと指摘されることになります。
子会社支援は寄付金認定を受けるとわかっていれば、「子会社の業績が厳しいので、子会社向け販売価格を下げる」という役員会議事録を残したりはしないはずです。
調査官が議事録を見ることは確実ですので、「子会社に寄付しましたよ」と宣言しているも同然です。
さらにいえば海外子会社に税務調査が入っていること自体を知らない、海外子会社がローカルファイルを作っていることも知らない、当然どんな内容なのかも把握していません。
子会社ではなく日本本社の意識の問題
これは上場未上場の別、会社の規模はあまり関係ないようです。
親子であっても別企業であることを認識し、移転価格税制や海外寄付金についての知識を学んで対策をしているかどうかだけの違いです。
親子間の取引価格や費用負担関係の話ですので、価格決定権をもっている日本本社がグループ全体の税務リスクを管理しなければなりません。
これは税務だけではなく、財務や経営計画にも関係する重要な役割です。
ビジネスを海外にどんどん広げていくのはいいことですが、管理面がずさんであればいずれは痛い目を見ることになると思います。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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