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親子間取引に関する契約書がなければ活動実態の説明が難しくなる | 押方移転価格会計事務所
- 2021.06.02
- 海外寄附金
日本本社が作った製品を海外の販売子会社を通じて、その国の顧客に販売する場合、通常は売買取引が採用されます。
売買取引とは海外子会社が日本本社から製品を仕入れて在庫するという意味です。
ですが、海外子会社の信用力が低くて取引口座を開くことができない等の事情がある時は、コミッション(販売手数料)方式が採用されることがあります。
海外子会社は販売活動を行うものの、売上は日本本社で計上され、海外子会社は「販売額の〇%」というコミッションを受け取るという方式です。
契約書がなければ海外子会社への寄付を疑われる
このコミッションに関する契約書が締結されていなかったため、税務調査時に物議になったという実例があります。
スピード感をもって成長している企業にありがちなことかもしれませんが、口頭ベースの打ち合わせですべてを決定してしまい、契約書その他のエビデンスの整備が不十分になっていたのです。
海外子会社に販売手数料として年間数千万円が支払われており、それに関する契約書がなければ調査官はどう思うでしょうか。
「これは何のお金ですか?海外子会社への支援じゃないんですか?」と疑われて当然です。
調査官は契約書などのエビデンスがなければ海外子会社の活動実態を把握できません。対価性のある支払いかどうかを判断する材料がないと言い換えることもできます。
親子間であれば、わざわざ契約書を結ばなくても取引を行うこと自体はできるでしょう。しかし取引額が大きくなってくると、どうしても一定のエビデンスの整備が必要になってきます。
大企業になるほど書類が増えるのも、こういう事情が積み重なった結果だと思います。
過剰な労力を投下する必要はないと思いますが、税務調査で問題にならない程度のエビデンスは用意するようにしましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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