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ディスカウント・キャッシュフロー法も一応検討しておこう | 押方移転価格会計事務所
- 2021.07.21
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平成31年度の税制改正において、ディスカウント・キャッシュフロー法(DCF法)が独立企業間価格算定方法の1つに追加されました。
ディスカウント・キャッシュフロー法は、将来発生すると予測される収益を合理的な割引率を使って現在価値に割引く方法で、企業買収時の買収価格算定などに用いられる方法です。
この方法が移転価格税制において導入された背景ですが、製薬会社における新薬の特許権など、将来どれくらいの収益を生むか予測が難しい無形資産を低税率国にある関連企業に安値で売却することによって、その関連企業に特許権収入を集中させるような租税回避を防止することが狙いです。
同じく平成31年度の税制改正において、国外関連者への一定の要件を充たす無形資産(特定無形資産)の売却額が低い場合、税務当局は過去にさかのぼって売却価格の修正を行うことができるようになりました。
そしてその際の修正価格をDCF法を使って算出できるようになりました。
つまりDCF法は基本的には国外関連者との無形資産の譲渡取引を念頭においたものといえます。
DCF法は無形資産取引に限定されたものではない
ですが条文の建付け上、DCF法は無形資産取引のみに限定された方法ではなく、棚卸資産取引などにおける独立企業間価格算定方法の1つとして追加されています。
移転価格税制はすべての独立企業間価格算定方法の中からベストな方法を選ぶことになっていますので、ローカルファイルに、「DCF法も検討した」と記載すべきです。
一般的な棚卸資産取引においてDCF法がベストと判断される状況は考えにくいですが、国外関連者から債権譲渡を受ける時にDCF法を採用することはあり得ると思います。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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