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国際調査課の設置により移転価格課税の特別扱いは終了 | 押方移転価格会計事務所
- 2020.10.27
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国税局の組織再編
令和2事務年度から国税局における国際課税部門の組織体制が見直されました。
これまでは「国際調査課」「国際情報一課」「国際情報二課」という分け方で、移転価格調査は「国際情報一課」が専門に行っていました。
これが「国際調査管理課」「国際調査課」「事前確認審査課」という三課に再編されました。
「国際調査管理課」は国際課税全般にかかる事務運営の企画・立案を行う部署です。
「国際調査課」は国際調査管理課のリスク分析等に基づいて、国際課税に関する調査を行う部署です。
「事前確認審査課」はその名の通り、事前確認(APA)の審査を行う部署です。これは従前の「国際情報二課」の業務を引き継いだ部署と考えて良さそうです。
移転価格調査のハードルが下がるはず
この組織再編によって移転価格調査を専門に行う部署がなくなったことは注目に値します。
移転価格課税の特殊性を鑑みて専担部署を作っていましたが、移転価格課税に関する検討事項の広まりを受けて、他の国際課税と同時に調査する方針になったそうです。
これまでは専任部署に任せるほどでもないとして、自分達で寄付金課税を行って済ませていた部分もありましたが、今後は自分達で調査できるようになった(調査しなければならなくなった)ということです。
一般企業においても同じですが、別の部署に出張ってもらうにはエネルギーが必要です。「〇〇部長に話を通さないと・・」という話になるからです。
しかし自分達でする以外にないとなると、これまでよりも移転価格調査を行うためのハードルが下がると思います。
これまでは本来、移転価格課税として取り扱うべき項目を海外寄付金として処理する例が多かったですが、今後は中規模・小規模案件に対して簡便的な移転価格課税を行うことが増えるのではないでしょうか。
他の国際課税と同様に扱われるようになった
事実、国税局の職員が主要な税務署に異動し、資本金1億円未満の企業に対して簡便的な方法で移転価格課税を行っている事例を聞くことがあります。
移転価格税制は「特別・特殊」なものから、他の国際課税と同様のものとして扱われつつあります。
考えてみればインドネシアやベトナムなどでは、一般の調査官が移転価格調査を行っているのですから日本も遅れをとっている場合ではないということでしょう。
(関連記事:「新興国の方が移転価格調査についての経験が豊富になってきている」)
まだまだ海外取引に不慣れな企業は多いと思いますが、海外取引は常に重点調査項目になっているそうですので、備えはしっかりしておきましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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