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租税条約は所得源泉地国と所得分類も確認ポイント | 押方移転価格会計事務所
- 2021.03.03
- 国際税務
租税条約の適用があるかどうかを検証する機会があると思います。
その多くは利子・配当・使用料(ロイヤリティ)に対する源泉徴収税率を調べる時のはずです。
租税条約は国内法に優先しますので、たとえば国内法において20.42%の源泉徴収が必要であっても租税条約に減免条項があれば、「租税条約に関する届出書」を提出することにより減免してもらうことができます。
たいていはこれだけでもOKですが、よりていねいに言えば、
☑恒久的施設(PE)の有無
☑所得分類
☑所得源泉地国
についても考える必要があります。
必ず国内法⇒租税条約の順番で検証すること
よく「PEなければ課税なし」と言われますが、逆に恒久的施設があれば事業所得などについて課税されるということですので、当然確認が必要です。
所得分類と所得源泉地国については例を出した方がわかりやすいと思います。
「これは注意だよ」と言われるのが、インド企業からコンサルティングを受けた場合です。
外国法人から専門技術を要する役務提供を受けた場合、国内法において所得源泉地国は役務提供を行う場所で判断します。(租税条約の検証を行う時は、国内法を先に確認することが重要です。)
日本国内で役務提供を受けたのであれば国内源泉所得として20.42%の源泉徴収が必要である一方、役務提供地がインド国内であれば国外源泉所得として課税対象外となります。
租税条約で所得源泉地国がひっくり返る
ところが日印租税条約においては「使用料及び技術上の役務」としてロイヤリティと人的役務の提供が同じ扱いを受けており、所得源泉地国は「支払い者の居住地国」とされています。(債務者主義)
国内法より租税条約の方が優先しますので、役務提供がインド国内で行われたとしても所得源泉地国は支払者である日本になります。
結局、外国法人の国内源泉所得として源泉徴収が必要になるということです。
このような引っかけ問題があるので、非居住者や外国法人に支払いをする時は租税条約をていねいに読みましょう。
租税条約の原文は「租税条約関係法規集」という名称で書店で購入可能です。
書籍を購入すればWEB版も入手できますので、予算をとって毎年購入することをお勧めします。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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