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機能とリスクがほとんど同じ場合の算定方法 | 押方移転価格会計事務所
- 2021.12.23
- 移転価格全般
国外関連者双方の機能とリスクがほとんど同じになることがあります。
X国に国外関連者Aがあり、Y国に国外関連者Bがあるとします。
AがX国内の外部者から受注した商品をBから仕入れて転売することもあれば、BがY国内の外部者から受注した商品をAから仕入れて転売することもあります。
AもBも商社で営業活動を熱心に行っている訳ですが、商品の中にはグループ会社経由で仕入れるものもあるという状況です。
売りと買いが双方向に立つことになりますが、機能とリスクをどう分析するべきでしょうか。
販売側の方が複雑
常識的に考えれば、販売する方が仕入れよりも難しい仕事です。販売先さえ見つかれば、仕入れは発注するだけの作業です。
つまり第三者に販売している側の方が高度な機能を有し、高いリスクを負っているといえます。
そのため第三者から仕入れている側を検証対象とするTNMMまたはRP法を双方向の取引に適用することがまずは考えられます。
データベースが両サイドで必要になりますし作業量も増えますので、実務的には金額的重要性が高いところに絞って分析するなどの工夫も必要かもしれません。
別の見方もある
と同時に、見方を少し変えるとAもBもやってることは同じようにもみえてきます。
国が違うだけで、似たような商材を似たような営業手法で売っているオーソドックスな商社です。
こういう場合は寄与度利益分割法が適切な方法といえるかもしれません。第三者への販売価格の合計から仕入原価の合計と販管費を差し引いた分割対象利益を両社で分割する方法です。
機能とリスクがほぼ同じなのですから、利益を生み出す原動力となるインプット(分割ファクター)に比例してアウトプット(利益)を享受しても不自然はありません。
分割ファクターは両社の販売費が考えられますが、金額でなくても営業マンの人数比や、のべ労働時間などもあり得ます。
データベースが不要な点も実務的にはメリットといえるでしょう。
グローバル化が進んでくると双方向の国外関連取引も出てきます。取引の正確な描写を行った上で、最適な方法を適用しましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
「移転価格対応に失敗したくない人が最初に読む本」
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