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戦略的自己否認によって寄附金リスクを避けるのもひとつの選択肢 | 押方移転価格会計事務所
- 2020.09.02
- 海外寄附金
決算が近づいてくるとグループ各社の着地が見えてきます。
各社ともに業績好調であればいうことはありませんが、そんなことばかりではないでしょう。
このままでは海外子会社が赤字になりそうだ、何とか支援したいと思うかもしれません。
そのためいろいろな理由をつけて日本本社側が費用を負担しようとするのですが、やればやるほど税務調査時に寄附金認定を受けるリスクが高くなります。
かといって税務調査で指摘を受けると「大変な問題だ」と騒ぎになる企業もあり、経理部門はジレンマですが、そういう時は自己否認を行うこともひとつの選択肢です。
自己否認とは、計上した費用の一部を海外子会社への寄附だと自ら認めて、申告書上で所得加算することです。
キャッシュアウトを嫌がっているのではない
そもそも海外子会社を黒字化したい理由ですが、経営目標の達成、株主への説明の都合、海外子会社サイドでの移転価格リスクの低減などが考えられます。
実際、赤字だとほとんど抗弁の余地なく追徴されるような新興国もあります。
海外子会社は業績面資金面ともに厳しい反面、日本本社はある程度余裕があるという企業グループは多いのではないでしょうか。
つまり日本本社のPLの「法人税等」の金額や、納税によるキャッシュアウトが増えることを嫌がっているのではなく、対外的な説明と海外子会社サイドの移転価格リスク(税務コンプライアンス)を懸念しているというケースです。
自己否認すれば、このあたりの問題は一応解決します。身もフタもない言い方ですが、税金さえ払えば調査官は何もいいません。
社長は自己否認という選択肢を知らない
経営トップは自己否認というものをおそらく知らないはずです。確定申告書の細かい中身もみていないでしょう。
会計と税務の違いもあまり認識しておらず、「海外子会社を何とかして黒字化したい。かといって日本サイドの税務調査で指摘されるのも困る。」とだけ考えているかもしれません。
このような時は「戦略的自己否認」という選択肢を提案することも経理部門の役割といえるのではないでしょうか。
但し、自己否認を使って海外子会社の業績をかさ上げすることは、一種の粉飾決算という認識は必要だと思います。
関連記事:「税務上の自己否認をすると海外子会社の本当の業績がみえなくなる」
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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