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基本三法優先からベストメソッドルール(最適法)に移行した理由 | 押方移転価格会計事務所
- 2016.11.04
- 移転価格全般
移転価格税制とは、資本関係のある外国の法人(国外関連者)と不適切な条件で取引することにより、日本に落ちるべき利益が海外に移転することを防止するルールです。
国外関連者との取引を独立企業間価格で行っていることを移転価格文書(ローカルファイル)で説明するのですが、その際はいくつかある独立企業間価格算定方法の中からひとつを選択することになります。
選択する時のルールですが、以前は基本三法を優先し、基本三法が適用できない場合に取引単位営業利益法や利益分割法を適用することとされていました。
ベストメソッド方式に移行
ところがこのルールが2013年の税制改正で変更され、優先順位を設けずに全ての独立企業間価格算定方法の中から最も適した方法を選択する方式(ベストメソッドルール)に改められました。
これはOECD移転価格ガイドラインの変更に日本も歩調を合わせたものですが、そもそも基本三法の適用が難しいという指摘が多かったことが根本的な原因です。基本三法を適用するためには、親子間取引と高い比較可能性を有する取引を見つけてくる必要がありますが、そのような取引を見つけることは難しいという意見が多かったのです。
その点、(基本三法以外の方法である)取引単位営業利益法は、公開された企業データベースから比較対象取引を選定することが認められるため、はるかに適用が容易です。実際、ベストメソッド方式に移行後は取引単位営業利益法を採用する企業が増え、現在は8~9割程度の企業が使用する主流の計算方法となっています。
まず取引単位営業利益法の採用を考えよう
建前としては、全ての方法の中から最適な方法を選択することになっていますが、このような現状を考えると、まずは取引単位営業利益法を採用できるかどうかを検討することが実務的です。
取引単位営業利益法は一度導入してしまえば、翌年以降の更新にはそれほど手間がかかりません。移転価格専任者がいない中堅企業には、文書化の労力削減の意味でもおススメの方法です。
ただ取引単位営業利益法も万能ではなく、海外子会社が重要な無形資産を保有している場合などは適用できません。その場合は利益分割法など他の方法を検討することになります。
やはり初めて文書化に取り組む時は、コンサルタントの支援が必要だと思います。多くの中堅企業の方が、「そろそろ、うちも・・」という感じで移転価格文書の作成を始めています。
移転価格文書は決して難解なものではなく、2、3回経験して慣れてしまえば年度ルーチンに落とし込むことは十分可能です。いずれは移転価格文書を作成しなければならなくなると思いますので、御社も「そろそろ」取り組みを開始されてはいかがでしょうか。
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