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国外関連者の把握もれはないか | 押方移転価格会計事務所

国外関連者 範囲

移転価格税制の適用対象となる国外関連者とは、「50%以上の出資関係または実質的支配関係がある外国法人」であることはご承知の通りです。

とはいえ実際には細かいルールがあり、国外関連者であることに気付かないこともあり得ますので、把握漏れがないか確認してみましょう。

親会社の子会社(兄弟会社)

まず自社の株式を50%以上保有している企業(親会社)がある場合です。

親会社が日本法人であろうと外国法人であろうと、他にも子会社を持っていることが多いはずです。

その子会社(自社からみると兄弟会社)が日本以外の法人であれば、国外関連者に該当します。

兄弟会社関係とは、2つの法人が同一の者にそれぞれ50%以上の出資を直接または間接に受けている場合の当該2つの法人の関係のことです。

また親会社と自社の兄弟会社が合わせて50%以上出資する外国法人があれば、その外国法人も自社の国外関連者に該当します。

合弁出資

次に合弁出資の場合を確認しましょう。

国外関連者の判定基準は出資比率50%「以上」ですので、ちょうど50%の出資も該当します。

自社と外国法人A社が50%ずつ出資して中国に子会社を作った場合、その中国子会社だけでなく、A社とA社の日本法人以外の他の子会社も国外関連者に該当します。

自社がA社あるいはA社の他の外国子会社と取引している場合は、移転価格税制が適用されるということです。

個人株主の検討

個人株主についても考慮が必要です。

移転価格税制は法人税法の特別法であり、所得税法に規定はありません。

そのため個人所得税に対して移転価格課税が行われることはないのですが、国外関連者の判定には個人株主の持株割合も使用します。

日本人であるXさんが日本法人Y社に50%以上出資しており、同時に中国法人Z社にも50%以上出資していれば、Z社はY社の国外関連者に該当します。

Xさん本人だけではなく、親族や内縁の妻、Xさんの使用人、Xさんが生活費を出している人の合計でZ社に50%以上出資している場合も、Z社はY社の国外関連者になります。

親族とは6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族のことです。

別表17(4)への記載

上場企業だけでなく、オーナー企業や中小企業に対しても移転価格課税が行われる時代ですので、国外関連者の把握もれが無いように注意しましょう。

なお国外関連者との取引は法人税申告書別表17(4)に記載しますが、この別表は国外関連者と取引がある場合に記載しますので取引がなければ記載の必要はありません。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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