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海外出張旅費の回収は旅費のマイナスではない | 押方移転価格会計事務所
- 2022.07.29
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海外関係の税務調査で特に頻繁に指摘される項目が、海外子会社への出張旅費です。
海外子会社に技術支援や営業支援を行った場合、恩恵を受けるのは子会社ですので、かかった費用は子会社にしてもらって下さいということです。
日本は島国ですので海外に出張すると、飛行機代とホテル代が確実に発生します。その他にも出張日当や日割人件費も実費として発生します。
また最近は新型コロナの影響で海外出張が減っていると思いますが、日本国内にいながら子会社支援を行ったのであれば、それに要した人件費等も理論的には子会社が負担すべきです。
ではこれらの支援に要した費用を子会社から回収する場合は、旅費交通費や給料手当のマイナスとして処理するのでしょうか。
新たな役務収益の発生
出張支援費等の支払いは海外子会社にとっては、技術指導などのサービスに対する対価の支払いです。
日本の移転価格税制では、海外製造子会社が保有する設備に対する技術指導など、本業に付随する役務提供料の独立企業間価格として「総原価の額」を採用することが多くあります。
総原価の額を採用するとは、支援にかかったコストだけを回収すれば利益はのせなくていいという意味です。(コストカバー方式)
つまりサービスフィーの計算根拠として旅費実費を使っているのであり、親会社が立て替えた旅費や人件費を子会社から回収したのではありません。
そのため旅費や人件費のマイナスではなく、「雑収入」など新たな役務収益の発生を認識する方が正確です。
旅費のマイナスでもそれほど大きな問題はないと思いますが、理論的にはこのようになります。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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