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移転価格対応のために英語力より重要なもの | 押方移転価格会計事務所
- 2016.11.07
- 移転価格全般
移転価格税制は海外子会社とのやり取りが必要ですので英語力が重要だと考えている方は多いと思います。もちろん英語力があるに越したことはありませんが、それは現場レベルまでの話です。
移転価格税制に対応するということは、最終的にはグループ間の利益配分を考えるということであり、これは経営レベルの話です。
関連記事:「移転価格対応にUSCPAなどの資格やTOEICの点数が重要か」
堪能な英語力で海外とスムーズにやり取りができたとしても、経営陣の理解が得られていなければ移転価格リスクを低くすることはできません。
文書化に必要なコストを承認したり、独立企業間価格レンジに収まるように価格改定を行うといったことは経営陣が決定すべき事項だからです。
日本に本社を置く企業の経営者は通常は日本人ですので、正しい判断を行うために必要な情報を日本語でわかりやすく伝えることが重要です。
ローカルファイルは日本語で記載すべき
海外子会社と適正な水準(=独立企業間価格)で取引を行っていることを説明する文書が、ローカルファイルです。
ローカルファイルに使用する言語について規定はありませんが、日本語以外で書かれている場合は、調査の段階で日本語への翻訳を求められる可能性があります。
ですので、わざわざ英語で作成する理由は乏しく、日本語で書いておくべきです。海外子会社に内容を説明したい場合は、翻訳を外注すればいいのです。
「なぜそのように書くのか」が重要
肝心なことはローカルファイルの記載内容について、その理由(なぜそのように記載しているのか)を知っておくことです。
・なぜ取引単位営業利益法なのか(原価基準法ではダメなのか)
・なぜフルコストマークアップ率を使用したのか
・なぜ比較対象企業に海外子会社とは別の国の企業が含まれているのか
といった項目ひとつひとつについての論理的な根拠を理解せずに、テンプレートにあてはめて作成するような方法はお勧めできません。
ストーリーに筋が通っていることが重要
ローカルファイルは、自社のビジネスモデルとグループ間取引を理解し、収益の源泉がどこにあるのかを見極めた上で、選定した独立企業間価格算定方法と矛盾のない筋の通った記載をすることが重要です。
そしてその際に求められるものは、高い日本語力と論理的な思考力です。
例えば独立企業間価格算定方法として、海外子会社を検証対象とする取引単位営業利益法(TNMM)を採用した場合、海外子会社は重要な無形資産を所有しておらず、基本的な製造活動・販売活動を行っているに過ぎないというストーリーが必要になります。
このような状態において、海外子会社の研究開発活動や原価低減活動を強調した記述をすると、海外子会社に重要な無形資産があると誤解されてしまう可能性があります。
英語が必要な部分については英語が得意な社員や翻訳業者を活用し、日本語で深く考えた上で、論理的一貫性を持ったローカルファイルを作成するようにしましょう。
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