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租税回避や脱税の意図があったかどうかは関係ない | 押方移転価格会計事務所
- 2020.12.16
- 移転価格全般
租税回避の意図は関係ない
移転価格税制は租税回避の意図とは関係なく適用されます。海外子会社に利益を移転するつもりはなかったという理由は通じません。(「そんなつもりはなかった」で通るであれば、どんな悪質な課税逃れも容認されることになりますので当然ですが。)
租税回避の意図があろうとなかろうと独立企業間価格と異なる価格でグループ間取引を行った結果、日本本社の所得が少なくなったのであれば、独立企業間価格で取引を行ったとみなして所得金額を再計算しなければなりません。
逆に独立企業間価格と異なる価格で取引を行ったことによって日本本社の所得が増えた場合は問題にはなりません。そのような法律になっています。
国際課税に特別なルールが設けられている2つの理由
ここで国際課税全体の枠組みの中における移転価格税制の位置づけを確認しておきましょう。
国際税務の分野には、国内の税制にはないルールがいくつもあります。国際税務の分野において、そのような特別ルールが設けられている理由は大きく分けて2つあります。
(理由その1)国際的な租税回避を防止する必要がある
多国籍企業が各国の税制の抜け穴を使って不当に税負担を小さくすることができないように、ルールの整備を行う必要があります。
具体的なルールには、
・外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)
・移転価格税制
・海外子会社への寄付金規定
・過少資本税制
があります。
(理由その2)国際的な二重課税を排除する必要がある
国際取引をしていると、両方の国で税金がかかってしまうことがあります。過大な税負担は経済活動の妨げになりますので、特別ルールを設けて調整する必要があります。
具体的なルールには、
・外国子会社配当益金不算入制度
・外国税額控除制度
・租税条約
・相互協議
があります。
各項目の詳細は別の機会に譲るとしまして、移転価格税制は「国際的な租税回避を防止する」ことを目的としたルールの1つであることを覚えておきましょう。
正しい情報を収集し続けることが重要
国際課税に関する項目は指摘を受けた時の金額が大きくなる傾向があります。
海外に進出している以上は、今後も移転価格税制等の国際税務に対処していく必要がありますので、国際税務に関する情報源を確保しておくことは、海外進出企業の素養のひとつといえるでしょう。
「知らなかった」では済みませんので、大きな指摘を受ける前にしっかりスタディしておきましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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