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原価割れ販売(逆ざや取引)は問題なのか | 押方移転価格会計事務所
- 2017.07.28
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原価よりも安い価格で販売することを逆ざや取引といいます。どのような企業も利益を求めて商取引を行っていますので、逆ざや取引が通常の状態ではないことは言うまでもありません。まして海外子会社に対して原価割れで販売しているとなると、子会社支援であるとして移転価格税制や寄付金課税上の問題となる可能性は高いです。
世の中に逆ざや取引は存在しないのか
それはそうなのですが、では独立企業間で原価割れ販売が全くないのかというとそんなこともありません。
身近な例を挙げますと、スーパーの特売品は原価割れで販売していることがあります。「卵1パック100円」といった採算度外視の特売品で来店してもらい、他の商品で利益を確保するという方法です。あるいは古くなってきた商品を原価割れで処分し、新商品に入れ替えるといったことも行われています。
これはb to C ビジネスの例ですが、b to bビジネスであっても、早期に市場占有率を高めるために一時的に原価割れや低利益率で販売することもあると思います。
中長期的には利益を確保できるという合理的な計画があり、海外子会社が資本関係のない販売代理店等であったとしても同様の戦略をとったと説明できるのであれば、原価割れ販売であっても移転価格上の問題はないと思いますし、その範囲であればダンピング(不当廉売)といわれるような規模にもならないでしょう。
特殊なケースであることは間違いありませんし、原価割れ販売をしたい訳ではないと思いますが、どうしても逆ざやにならざるを得ない時は営業部門等にしっかりヒアリングを行って、正当性を説明するためのエビデンスを残しておくことが重要です。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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