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検証対象企業の決定方法について | 押方移転価格会計事務所
- 2017.05.10
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現在主流の移転価格計算方法である取引単位営業利益法は、親会社と子会社のどちらか一方の損益を検証する方法です。片側しか検証しないという意味では取引単位営業利益法の欠点ともいえますが、使い勝手の良さから多くの企業がこの方法を採用しています。
親と子のどちらの損益を検証対象にするかですが、果たしている機能と負担しているリスクが限定的で、かつ、重要な無形資産を保持していない方を選択することになります。
(※)無形資産・・ブランドや製造ノウハウ、強力な販売ネットワークなど超過収益を生み出す資産
比較可能性の確保が重要
その理由は「比較可能性の確保」にあります。親子間の取引価格について絶対的に正しい値を決めることは誰にもできません。そのため第三者間で成立している取引の中から、親子間取引と十分な比較可能性を持った取引を探し出してきて親子間取引と比較するというアプローチを取ります。
取引単位営業利益法は取引価格そのものではなく営業利益率を比較する方法ですので、十分な比較可能性を持った企業の営業利益率を公開データベースから抽出することになります。
複雑な機能や大きなリスクを負担していて、重要な無形資産を保有している企業は独自性のある存在ですので比較可能性の高い企業を探すことは困難です。
一方、基本的な製造活動や販売活動を行っていて重要な無形資産も保有していない場合は、公開情報から十分な比較可能性を有する企業を見つけ出すことができる可能性が高くなります。
つまり十分な比較可能性を確保するために、機能リスクが限定的な側を検証対象とするということです。
テンプレート発想ではなく、論理を理解することが重要
検証対象企業の選定に限らず、移転価格対応においてはテンプレートにあてはめるような発想ではなく、「なぜそうするのか」という論理を理解することが重要です。
外部コンサルタントが作成した移転価格文書を読んだだけではテンプレート(how to)は理解できるかもしれませんが、理論的根拠(why)の理解が不十分になりがちです。
移転価格文書は毎年更新が必要です。毎年外注に出すことが厳しい場合は、移転価格税制の理論的背景と実務ノウハウを学習して、自社で更新できるようになることが現実的な対応策です。
当事務所では移転価格税制の理論的根拠と実務ノウハウをお伝えし、移転価格対応の内製化を実現する日本で唯一のコンサルティングをご提供しています。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
「移転価格対応に失敗したくない人が最初に読む本」
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