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市場価格を超える支払いに対する租税条約の取り扱い | 押方移転価格会計事務所
- 2022.04.27
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租税条約によって利子や使用料、配当の源泉税が軽減または免税になることがあります。
しかしこの条項は関連企業に独立企業間価格以上の使用料などを払った場合にも適用されるのでしょうか。そうであれば租税条約の濫用になりそうです。
この点については考慮されていて、租税条約上の関連者(特殊関連企業)に利子や使用料を支払った場合、市場価格(独立企業間価格)を超える部分については租税条約に定める限度税率は適用せず、個別協議によって超過部分の取り扱いを決めることになっています。
日米租税条約の場合
例えば日米租税条約第12条第4項において、使用料のうち独立企業間価格を超える部分については「5%を超えない額の租税を課すことができる」とされています。
そのため在アメリカの関連者へのロイヤリティについて移転価格課税を受けた場合は法人税法上の所得計上もれに加えて、源泉徴収もれも指摘される可能性があることになります。
特殊関連企業に対するこの条項は利子と使用料に関するものだけで配当にはありません。配当に独立企業間価格は存在しないからです。
特殊関連企業は国外関連者よりも範囲が広い
ところで先ほどから特殊関連企業という言葉が出てきていますが、定義は各租税条約の特殊関連企業条項に書かれています。
どの租税条約をみても「一方が他方の経営・資本に関与している場合」という非常に広い定義になっています。
これは国内法である移転価格税制が租税条約によって制限を受けないようにするため移転価格税制よりも関連者の範囲を広くしているからです。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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