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特定外国関係会社に該当すれば租税負担割合が20%以上でも合算対象 | 押方移転価格会計事務所
- 2022.12.30
- 国際税務
平成29年度の税制改正において外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)が改正され、租税負担割合(≒法人税率)が20%以上であっても事業実体がない海外子会社は、その子会社の所得を日本本社の所得に合算することになりました。(租税負担割合が30%以上(令和6年4月1日以降開始事業年度からは27%)の場合は適用免除)
この事業実体のない子会社は「特定外国関係会社」と呼ばれ、下記3パターンが該当します。
- ペーパーカンパニー
- キャッシュボックス
- ブラックリスト国所在企業
特定外国関係会社とは
①ペーパーカンパニー
ペーパーカンパニーとは、実体基準(事務所などの固定設備を有する)と管理支配基準(事業の管理運営を自ら行っている)のいずれも満たさない海外子会社のことです。
言葉通りの「ペーパーカンパニー」と考えて差し支えありません。
②キャッシュボックス
キャッシュボックスとは、OECDのBEPSプロジェクトにおいて提言された考え方で、豊富な資金を持っているが能動的な活動を行っていない海外子会社のことです。
具体的には、配当などの受動的所得が総資産の30%以上であり、かつ、有価証券・貸付金などの金融資産が総資産の50%以上の場合が該当します。
軽課税国に多額の資金を持った海外子会社を設立し、そこに配当や受取利息などを集中させることによる租税回避スキームを防止することが目的です。
③ブラックリスト所在国企業
財務大臣によってブラックリスト国と認定された国に所在する海外子会社も特定外国関係会社に該当します。(2022年12月現在、該当する国はなし)
推定規定の導入
また平成29年度改正において税務当局は企業に対し、ペーパーカンパニーでないという基準を満たしていることについて説明を求め、期限内に説明がない場合は基準を満たしていないと推定できることになりました。
日本の中堅企業の海外子会社はほとんどが事業実体のある会社だと思いますが、ペーパーカンパニーと疑われる可能性がある場合は、次のような書類を残しておきましょう。
- 事業実体があることを証明するためにオフィスの写真や、座席図、従業員への給料の支払いが確認できる資料を残す
- 海外子会社が自ら管理運営を行っていることを証明するために、役員会議事録や稟議書などを取り寄せておく
関連記事:「別表17(3)には添付対象外国関係会社の必要添付書類が印字済み」
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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