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外国金融子会社等は受取利息などを受動的所得として合算しない | 押方移転価格会計事務所
- 2020.05.21
- 国際税務
外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)において、海外子会社(外国関係会社)に経済的実態がある場合でも、受取利息やロイヤリティ収入など一定の受動的所得(特定所得)は親会社の所得に合算することになります。(2000万円の少額免除基準あり)。
その理由は、「経済活動基準を満たす場合でも受動的所得は合算する理由」にも記載の通り、財テク(的活動)をわざわざ低税率国にある子会社で行う必要はないからです。
しかし、外国金融子会社等と呼ばれる一定の外国関係会社に該当する場合、受取利息や受取配当金などの金融所得は合算課税の対象から除外されることになっています。
外国金融子会社等とは
外国金融子会社等とは、受動的所得の合算が必要な外国関係会社のうち、外国金融機関と外国金融持株会社のいずれかに該当するもののことです。
外国金融機関とは、本店所在地国の法令に基づいて銀行業、金融商品取引業、保険業を行っており、本店所在地国で役員または使用人が事業を行うために通常必要な業務の全てに従事している外国関係会社をいいます。
外国金融持株会社とは、単体では銀行業等を行っているとはいえないが、グループ全体では金融機関の役割を果たしていると認められる外国関係会社です。(株式の保有関係や業務内容から判断)
外国金融子会社等にとって剰余金の配当や受取利子などの金融所得は、汗をかいて稼いだ本業収入ですので合算課税の対象から除外されています。受動的所得とはいえないので、法の趣旨から当然といえるでしょう。
外国金融子会社等における受動的所得
外国金融子会社等に該当する場合は、金融所得以外の受動的所得を合算することになります。
具体的には、①有形固定資産の貸し付けの対価、②無形資産の使用料、③無形資産の譲渡損益、④総資産等に比して過大と考えられる所得(異常所得)、⑤異常な水準の所得に係る所得が該当します。(④、⑤については一定の算定式がありますが、長くなるので割愛します。)
特許権の保有などは外国金融子会社等の本業とはいえないため、わざわざ特許権収入等を外国金融子会社等に集中させる合理性がないからです。
税制改正により受動的所得の範囲が大幅に広がったため、いろいろと微調整が必要になったということですね。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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