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外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当への源泉税は外国税額控除の対象外 | 押方移転価格会計事務所
- 2019.07.31
- 国際税務
国際的な二重課税を排除するための制度として、外国子会社配当益金不算入制度と外国税額控除が設けられています。
外国子会社配当益金不算入制度とは、一定の要件を充たす外国子会社からの配当について、そのほとんど(95%)を益金不算入とする制度です。
外国子会社が自国で法人税を払った後の剰余金を配当しているにもかかわらず、その配当が日本の法人税の課税対象になると、両方の国で課税されることになるからです。
外国税額控除とは、日本の法人が払った外国法人税を確定申告時に控除することにより二重課税を排除する制度です。
外国法人税が発生するパターンとしては、次があります。
1.外国からの利子や配当、ロイヤリティについて現地で源泉徴収された場合
2.海外支店が現地で法人税を納付した場合
3.外国子会社合算税制の適用を受けた外国関係会社(≒海外子会社)が現地で法人税を納付していた場合
外国からの利子、配当、ロイヤリティは営業外収益項目などに計上し、基本的には日本の法人税の課税対象となります。また海外支店が現地で稼いだ分も含めて全世界所得に対して日本の法人税が課税されます。
外国子会社合算税制の適用を受けると外国関係会社の所得が日本法人の所得に加算されますので、これも日本の法人税の課税対象となります。
その結果、何の措置も講じなければ外国と日本で法人税が二重にかかることになりますので、外国税額控除を適用することによって二重課税の解消を図ります。
外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当の場合
では外国子会社配当益金不算入制度の適用対象となる配当を受けとった場合、その配当から源泉徴収された外国法人税はどうなるのでしょうか。
この点、配当を益金不算入にすることにより二重課税は解消していますので、源泉税は控除対象となる外国法人税に含めないことになっています。
さらに租税公課として損金に算入することも認められず、申告書で加算することになります。
外国子会社配当益金不算入制度の対象とならない配当の場合
外国子会社配当益金不算入制度の対象とならない配当(=益金に算入される配当)から外国法人税が源泉徴収された場合、その分は外国税額控除の対象となります。
正確には外国税額控除か損金算入かのどちらかを選ぶことになります。
外国税額控除の方が計算は複雑ですが、控除限度額まで控除できますので納税額が少なくなる可能性があります。一長一短がありますので、各社の判断が必要です。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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