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出向契約書がない企業がある | 押方移転価格会計事務所
- 2022.06.07
- 国際税務
外部者との取引であれば絶対に契約書を結ぶ場面であっても親子間の場合は結ばないことがあります。
グループ企業内だからトラブルになることもないだろうと考えているからでしょう。
とはいえ当事務所にご相談に来る企業様は、ロイヤリティや親子ローンについてはさすがに契約書を作っていることが多いです。
これは海外子会社とのトラブルを防ぐためというよりは、支払った側で損金処理するためのエビデンスという意味合いが強いのだと思います。
出向契約書の作成はマストではないが・・
では出向契約書(出向覚書)はどうでしょうか。
出向契約書を結ばずに「4月から中国子会社に出向ね。」と、口約束で送り出してはいないでしょうか。
出向期間を定めた契約書なしに「3年ぐらいかな。」と、出向者を送り出している企業があることには驚きます。上場企業であっても、このあたりは関係ないようです。
ペラペラの紙1枚の辞令は出すとしても、それだけではいかにも心もとないです。海外赴任規定があっても、それはあくまでも日本本社の規定に過ぎません。
絶対に必要な訳ではありませんが、やはり海外子会社との出向契約書を出向者ごとに用意した方がいいと思います。
出向期間や業務の範囲、日本本社と海外子会社の費用負担関係、年次休暇、休日労働など適切な内容を条項に加えましょう。
中には「副総経理」など出向先での役職や、海外子会社の人件費負担額を具体的に定めているところもあります。
税務リスクの観点からも出向契約書を用意しよう
税務リスクの観点で言うと、日本本社の負担額が給与較差の補てんといえるかどうか、住居費などの海外子会社の負担額が現地の所得税法において非課税所得になるかどうかは重要な検討項目です。
また出向者が海外子会社の指揮命令下で勤務することを出向契約書に明記することによってPE認定リスクも低くなります。
物理的には海外子会社にいるものの、実態は日本本社の指示の下で業務しているという疑いを契約書に明記することによって防ごうという作戦です。
税務リスクの面だけでなく出向者が納得かつ安心して勤務するためにも有用ですので、出向契約書はぜひ整備しましょう。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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