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タックスヘイブン税制のトリガー税率は法人税率ではない | 押方移転価格会計事務所

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タックスヘイブン税制とは

タックスヘイブン税制は正式には「外国子会社合算税制」といいます。 法人税率の低い国に実態のない子会社を設立し、その会社に利益を落とすことにより課税逃れを行うことを規制するルールです。

ちなみにですが、Tax Heaven(税金天国)ではなく、Tax Haven(租税回避地)です。Havenには「避難場所」という意味があります。(結果的には似たような意味になりますが・・)

現在、多くの国でタックスヘイブン税制が導入されており、日本もその例外ではありません。タックスヘイブン税制の適用を受けた場合、その海外子会社の利益(所得)を日本の親会社の所得に合算して、日本の法人税を計算することになります。

またタックスヘイブン税制は法人だけに適用されるものではなく、個人にも適用があります。

日本で個人事業を営むAさんが、低税率国にペーパーカンパニーを設立して利益を不当に落としている場合、税務調査でタックスヘイブン税制の適用を受けるべきという判断が出れば、そのペーパーカンパニーの利益をAさんの所得に加算にして個人所得税を追徴納付することになります。

個人であろうと法人であろうと、低税率国にペーパーカンパニーを作って課税逃れを行うことは認めないということですね。

基準税率(トリガー税率)を下回る海外子会社が適用対象となる

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タックスヘイブン税制が適用されるかどうかの判断基準に、基準税率(トリガー税率)というものがあります。トリガー税率を下回っている外国子会社はタックスヘイブン税制の適用を受ける可能性があるという意味です。

現在のトリガー税率は20%未満ですので、法人税率が16.5%の香港、17%のシンガポールに子会社がある場合は、タックスヘイブン税制の適用があるかどうかを追加調査しなければなりません。

トリガー税率は正確には、その国の法人税率ではなく、それぞれの企業の租税負担割合で判断します。租税負担割は非課税所得を分母に加える等の一定の計算式にあてはめて算出します。

その国の一般的な法人税率は20%以上であっても、税制優遇を受けていたり、非課税所得がある等の理由で租税負担割合が20%未満になる場合は、タックスヘイブン税制の適用を受ける可能性があるということです。

ですので海外子会社の法人税率については、法人税申告書の該当部分を入手する等の方法で個々に確認することをおススメします。特に法人税率がちょうど20%のタイの場合、厳密に計算すると20%未満だったという可能性がありますのでご注意下さい。

租税負担割合が20%未満である場合は、タックスヘイブン税制の適用除外を受けることができるかどうか検討することになります。適用除外については タックスヘイブン税制の適用除外要件は管理支配基準がポイントをご確認下さい。

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この記事は国際税務の一分野である移転価格税制専門のコンサルタントが書いています。
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<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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