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過去に作ったローカルファイルが放置されている | 押方移転価格会計事務所
「5年前に1度ローカルファイル(移転価格文書)を作ったのですが、予算の都合で、その後は放置されていまして・・」
このようなご相談を受けることがあります。
外部専門家に依頼してローカルファイルを作ったものの、その年限りになっており、年度更新がされていないということです。
このことから次のことが明らかになります。
☑外部専門家にローカルファイルを代行作成してもらうだけでは、社内に十分なノウハウが蓄積せず、自力で年度更新ができるようにはならない
かといって、
☑毎期、専門家に外注する予算を確保することは難しい場合がある
かなり大きな企業であれば移転価格専任スタッフを配置して、外部専門家のアドバイスを受けながらAPAの取得やローカルファイルの更新をしていくことも可能ですが、数百名規模の中堅企業がそこまでのリソースを確保することは難しいですし、またその必要もないと思います。
最初から年度更新を意識することが重要
「海外子会社の設立登記手続き」のような1回で完結する業務であれば、専門家に代行してもらえばそれで終わりですが、ローカルファイルは毎期更新が必要な書類です。
海外子会社との取引額が一定以上の場合は確定申告期限までにローカルファイルを作成する「同時文書化義務」が課されていますが、この規定からも明らかなようにローカルファイルの更新は決算ルーチンの一環です。
ローカルファイルを更新するためには海外子会社の決算内容を把握する必要がありますので、同時文書化義務の対象とならない場合であっても、連結決算の記憶が新しいうちに年度更新を行うことをお勧めします。
古いローカルファイルを社内のどこかにお守りのように置いていても、現在の実態と合っていなければ税務調査時に何の役にも立たず、結局、追徴課税を受けることになりかねません。
中堅企業と大企業では状況が異なる
大企業は十分な予算を確保した「フルスケール対応」が可能ですが、中堅企業は各自が他の業務と兼務しながら効率的にローカルファイルを更新できる社内体制を構築する以外に現実的な対応策はありません。
また海外子会社サイドからも「移転価格が・・」という声が届いていると思います。
移転価格税制に関するルールの整備は世界各国で急速に進んでいるからです。
海外進出企業は移転価格税制を無視できない状況になってきています。
中堅企業は中堅企業に合った形の社内体制を整備し、インターナショナルな企業として一段階レベルアップしなければなりません。
最後に「ミニワーク」をご提案します。ぜひ社内の皆さんと一緒に考えてみて下さい。
❝ミニワーク❞
「ローカルファイルを1年分作っただけで安心していませんか?年度更新は、誰が、いつ行うことになっていますか?またそのために必要な予算は確保されているでしょうか」
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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